「猫舌」という言葉がありますが、「なぜ犬ではなくて猫なのだろう?」と考えたことありますか?
「猫舌」は熱い食べ物が苦手なことを指しますが、人間の様にアッツアツの食べ物など食べられる動物なんてそもそもいるのでしょうか?
ちなみに英語で「Cat tongue」はただの「猫の舌」という意味になってしまいます。
英語だけでなく日本語以外のどの言語にも「猫舌」を表わす言葉は存在せず、「猫舌」を伝えたい時は「私は暑い食べ物は食べられません」と説明しなければなりません。
筆者の暮らす国の人や筆者の外国人旦那にも聞いてみましたが、「そもそも熱い食べ物が苦手なのか好きなのかあまり話題にしない」と言われました。
日本だとアッツアッツのたこ焼き屋、アッツアッツのラーメン、アッツアッツの湯豆腐色々ありますが、外国でアッツアッツの食べ物をハフハフしながら食べている画自体が想像できません。
海外にはアッツアツの食べ物を食べる習慣がないから「猫舌」という言葉が存在しないのかもしれませんね。
そのように考えると猫舌に「猫」が選ばれた理由は猫と日本人の関係性に理由がありそうです。
どうして猫が選ばれたのか!?猫の舌の知られざる機能と一緒に解明していきます。
猫が選ばれた理由
人間に一番近い存在だったから
猫が選ばれたのは猫がペットとして人間の近くに居る存在だったからと言われています。
ペットと言えば犬もいますが、日本で猫や犬がペットとして人間と暮すようになったのは江戸時代です。
猫の役目はネズミ捕りなので家の中で飼われ、犬の役目は番犬なので外で飼われていました。
家の中で飼われていたために、人間が猫の食べる様子を見る機会も多く、猫が人間の食べている熱い食べ物に触れる機会も多かったということです。
猫は犬よりもっと人間に身近な存在だったのですね。
猫のオーバーリアクション
そしてもうひとつ考えられるのは猫のオーバーリアクションのため、他の動物より印象が強かったのではないかということです。
猫が驚いた時に大きく跳ね上がっているのを見たことがないでしょうか?
人間のアッツアツ食べ物をペロッと舐めてしまい、びっくり後ろに跳ね上がった姿が余りに印象的で誰かが「猫舌」と言い始めたのかもしれません。
猫舌でない猫もいる?
では猫である限りみな猫舌なのでしょうか?
筆者は飼い猫に朝ごはんのホットココアをペロッとされたことが何度かあります。
そして筆者がお風呂に入っている時に、自分はお風呂に入るのが苦手なくせに浴槽の隣にちょこんと座り、隙があれば風呂の水を飲もうとします。
もちろんどちらもそれほど熱いものではないですが、動物が好んで口にするのは野生の観点からみるとやはり少し異常です。
人間でも熱いものが得意な人もいれば苦手な人もいます。
アツアツのラーメンを啜(すす)るのは外国人にはハードルが高いですが、これも練習と慣れで食べられるようになります。
我が家の猫も野良猫に比べれば断然熱い食べ物に触れる機会があるため、熱い食べ物に慣れてきたのかもしれません。
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「猫の舌」知られざる機能
「猫舌」とマイナスなイメージで使われる猫の舌ですが優れた機能があるのを知っていますか?
猫の舌はザラザラしています。
顔を舐められると結構痛いですよね。
猫の舌は喉に近づくにつれてトゲトゲが激しくなっています。
猫は舌を使ってグルーミングをしますが、舌が櫛(くし)の役目になっているのです。
だから野良猫でもあんなにきれいに体を保つことができるのはこの舌のおかげだったのですね。
まとめ
普段何気なく使っていた「猫舌」には猫と人間が近い存在だったという背景があるんですね。
いつの日か日本人に飼われる猫限定で猫の舌が人間化(日本人化)して熱い物が食べられるようになり、一緒に食卓を囲む日が来るかもしれませんね。